エネルギー
主要ポイント
- 金価格は1オンス＝4,380ドルを突破し、史上最高値を更新。過去数十年で最も好調な週次パフォーマンスを記録。
- 銀も1オンス＝54.47ドルを上回り、再び史上最高値を更新。
- 米中間の貿易摩擦が再燃する懸念から、安全資産への需要が高まった。
- 米国株式市場は週初に力強く反発したものの、上昇の勢いを維持できず失速。
- 米連邦準備制度（FRB）のベージュブックでは、米経済の減速傾向が示され、追加利下げへの期待が強まった。
- 原油価格は3週連続で下落。ブレント原油は約60ドル、WTIは56ドル付近で推移。
米国株式市場：上昇継続に失敗
週初は力強い株価反発で始まった。S&P500は約2％上昇、ナスダックは3％上昇、ダウ平均も1.8％上昇した。
トランプ大統領が中国への強硬姿勢をやや緩めたことで、追加関税への懸念が和らいだことが背景。
しかし、週の中盤以降は再びボラティリティが上昇。
トランプ大統領が「中国からの食用油輸入の停止」を示唆したことで貿易摩擦懸念が再燃し、テック株・仮想通貨・原油などリスク資産が軒並み下落。
上昇は大型ハイテク・半導体銘柄に偏り、市場全体の広がりは限定的だった。
今後の株価上昇の持続性は、貿易交渉の進展、主要企業の決算（特に金融セクター）、およびFRBの金利方針に左右される見通し。
金・銀：史上最高値を更新
金は際立った1週間を迎えた。
金価格は1オンス＝4,380ドルを突破し、銀も1オンス＝54.47ドルの新記録を更新。
週間上昇率は**7.5％**に達した。
政府機関閉鎖への不安、貿易摩擦、FRBの追加緩和期待を背景に、安全資産への資金流入が続いた。
今後の注目点は、
- 米国のインフレ指標
- 米中貿易交渉の進展
- 債券利回り・米ドルの動向
利下げの可能性が高まれば、金と銀の上昇がさらに続く可能性がある。
ドル下落とユーロ反発
今週、米ドルは全体的に軟調に推移。
EUR/USDは約1％上昇し1.1730へ、GBP/USDは1.3250から1.3470へ反発。
USD/JPYも週末にかけて150円を割り込み、週初から1％以上下落。
ドル指数（DXY）は0.9％下落し、98.00付近で週を終えた。
今週の主要経済指標
- 英国の失業者数（Claimant Count Change）は 25.8K に急増（予想：10.3K）。
- 中国の消費者物価指数（CPI）は -0.3％（前回：-0.4％）へ上昇。
- 中国の生産者物価指数（PPI）は予想通り -2.3％（前回：-2.9％）。
- ニューヨーク連銀製造業指数（Empire State Index）は 10.7 に上昇し、予想を上回る。
- オーストラリアの失業率は 4.5％（前回：4.3％）へ上昇。
- 英国のGDP（月次・8月）は +0.1％、予想通りの結果。
来週の主要経済イベント
| 日付 | 指標名 | 国 | 結果 | 時間 |
| 10月20日（月） | 消費者物価指数（前期比） | ニュージーランド | 0.50% | 午前1時45分 |
| 10月20日（月） | カナダ銀行（BOC）ビジネス見通し調査 | カナダ | ― | 午後6時30分 |
| 10月21日（火） | 消費者物価指数（前年比） | カナダ | 2.50% | 午後4時30分 |
| 10月22日（水） | 消費者物価指数（前年比） | 英国 | 3.80% | 午前10時00分 |
| 10月23日（木） | 小売売上高 | カナダ | -0.80% | 午前10時30分 |
| 10月24日（金） | 製造業PMI（速報値） | ユーロ圏 | 49.8 | 正午12時00分 |
| 10月24日（金） | サービス業PMI（速報値） | ユーロ圏 | 51.3 | 正午12時00分 |
| 10月24日（金） | 消費者物価指数（前年比） | 米国 | 2.90% | 午後4時30分 |
| 10月24日（金） | 製造業PMI（速報値） | 米国 | 52 | 午後5時45分 |
| 10月24日（金） | サービス業PMI（速報値） | 米国 | 54.2 | 午後5時45分 |
| 10月24日（金） | 新築住宅販売件数 | 米国 | 80万件 | 午後6時00分 |
テクニカル分析と見通し
金価格：史上最高値を更新
日足チャートでは8月末以降、強力で持続的な上昇トレンドが確認される。
連続した陽線が続き、押し目がほとんど見られない。
移動平均線はすべて上向きで完璧な上昇パターンを形成。価格は全てのMAを上回っており、非常に強いモメンタムを示している。
MACDも強い正のフェーズにあり、両線が鋭く上昇中。
今後も強気見通しが継続。MA(10)、MA(30)付近までの調整があっても、再上昇の契機となる可能性が高い。
金・日足チャート
| 抵抗 | $4,400 – $4,425 | $4,450 – $4,460 | $4,500 – $4,525 |
| 支持 | $4,278 – $4,296 | $4,091 – $4,114 | $4,000 – $4,025 |
原油価格：5か月ぶりの安値
10月初旬以降、ブレント原油は70ドル→60ドル台へと急落。
日足チャートでは明確な下降トレンド（下値・上値とも切り下げ）を形成。
MA(5)、MA(10)、MA(30)はいずれも下向きの弱気パターンを示し、価格は全てのMAを下回る。
MACDも強いマイナス圏で推移し、下落モメンタムが加速中。
全ての主要テクニカル指標が明確な弱気相場を確認している。
価格が一時的に反発しても、30日移動平均線を上抜けできなければ下落継続の可能性が高い。
ブレント日足チャート
| 抵抗 | $62.80 – $62.96 | $63.67 – $63.73 | $64.63 – $64.81 |
| 支持 | $60.00 – $60.12 | $58.82 – $59.00 | $58.17 – $58.25 |
ナスダック：勢いを失い下落
ナスダックは直近の強い上昇基調が急な反落により一服。
MA(5)、MA(10)、MA(30)が横ばい〜収束しており、上昇圧力の低下を示す。
MACDは明確な売りシグナルを点灯。ラインがシグナル線を下抜け、下方トレンドを形成。
短期的には弱気バイアス、長期的には上昇トレンド維持。
24,000を明確に下抜ければ深い調整に発展する可能性があり、
反対に25,000を上抜けて終値を保てば再び強気トレンドが復活する。
ナスダック100日足チャート
| 抵抗 | 24,772 – 24,831 | 25,000 – 25,054 | 25,200 – 25,247 |
| 支持 | 24,255 – 24,282 | 23,976 – 24,035 | 23,848 – 23,931 |
ビットコイン：下落圧力が加速
ビットコインは主要高値から明確な反転下落を示しており、日足では大きな陰線が続く。
一連の「安値・高値の切り下げ」により短期的な下降トレンドが確立。
MA(5)、MA(10)、MA(30)はすべて下向きに並ぶ弱気パターン。
MACDも強いマイナス圏で推移し、売り勢力の優勢を確認。
次の重要サポートは103,000ドル付近。
この水準を明確に割り込めば、100,000ドルまで下落する可能性が高い。
ビットコイン日足チャート
| 抵抗 | $110,340 – $110,450 | $113,157 – $113,670 | $115,240 – $115,680 |
| 支持 | $103,150 – $103,300 | $101,205 – $101,450 | $99,226 – $99,437 |
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